#29 骨盤前傾は腸腰筋トレーニングで作る
「さあ今回こそ自己ベストを出すぞ」
とマラソンで夢のサブ3やサブ4、
と気合いを入れたはいいものの
やっぱり後半は疲れてしまう。。
応援に来てくれていた
家族や友人からはこう言われます。
「後半腰が落ちてたね」
「小走りで苦しそうだった」
いつもそうなってしまうけど
原因がわからない。
「無理のないペースだったし、
食事もしっかり摂ったから
エネルギー不足ではない。。」
前回までの記事でも取り上げていますが、
マラソンで失速する大きな原因として
姿勢が崩れることにあります。
それは、
使いたい部分が弱く、
機能しないことで起こります。
腰が落ちた姿勢で走ると
脚が地面を着地した後、
後ろに伸びません。
身体の前側ばかりで脚が動き、
お尻の筋肉が使えず、
膝や足首ばかりが頑張ってしまいます。
ハムストリングス(腿裏)や、
ふくらはぎの負担が大きいことで、
肉離れ気味になった経験はありませんか?
そして、
何とか戻そうという意識が働き、
大腿四頭筋(前腿)にストレス
がかかり、膝を痛めます。
そうなると、
過度な疲労を感じ
大幅にタイムが落ちるだけでなく
レース中、またはレース後に
痛みが出てしまったり、
しばらくお休みせざるを得ない
状況になってしまいます。
肉離れなど筋肉の痛みや
膝の痛みなど繰り返している方は、
使うべき筋肉に刺激を入れ、
失速の大きい原因である、
姿勢崩れを改善していきましょう!
骨盤後傾がダメなら
前傾を意識すると良い?
骨盤を前傾させて走ろう!
と多く耳にしませんか?
私のお客様も前傾について
言われたことがある方が多いです。
骨盤を前傾させることで、
足が前に出やすく、
推進力が生まれるからとのことで
良く言われていると思います。
指摘される理由としては
腰が落ちていて走りが
小さくなっているから。
しかし、
そのような方は骨盤前傾が
そもそもできない方が多いです。
実際にどうなっているでしょうか。
良く現場で起こっているのは
骨盤が前傾しているのではなく
上体だけ前に出ているパターン。
そのため、
骨盤を前傾させて走ることを
準備なしに意識することは
難しいのではと考えます。
https://www.hb-nippon.com/column/523-self/11357-20170130no162self
その状況を打破するには?
大きくは2つ。
強すぎる、または固まりすぎて
起こっているので
まずは緩めてあげることが大切です。
そして
対になっている
足を引き上げる筋肉
腸腰筋を強化するトレーニングを
おすすめします。
腰高の要、腸腰筋
腸腰筋とは、
主に腸骨筋・大腰筋の
2つの筋肉から構成されている
股関節まわりのインナーマッスルです。
腰元に位置し、
大腰筋は背骨の腰の辺りから、
腸骨筋は骨盤の内側の上部から始まり、
組み合わさっています。
そして、
骨盤を通り抜けて太ももの内側
(身体の軸になる部分)
に付いています。
簡単に表現すると
上半身と下半身をつなぐ筋肉です。
この筋肉は「深腹筋」とも呼ばれ、
主に腿を引き上げるために使われます。
歩いたり踏ん張るなどの働きも持っています。
http://miyakojima-swimbikerun.com/daiyoukin-triathlon/
また、
腸腰筋は背骨を中心とした
上半身の体幹を安定させ、
支える役割があります。
つまり、
腸腰筋が弱いと体幹が崩れ、
骨盤が後傾して
フラットバック姿勢に
なってしまいます。
※フラットバック姿勢とは
本来自然にある背骨の
S字カーブが減少し、
フラット(真っ直ぐ)になっている。
その結果、
背骨が上手く衝撃を分散できずに
椎間板への負担が高まります。
これが骨盤前傾を邪魔しているポイントです。
このバランスが崩れやすい
原因として、
長時間デスクワークをしている、
座っている姿勢が長い、
など普段の生活が原因と
なっていることが多いです。
長時間座っていることで
お尻の筋肉やハムストリングスが
硬くなり骨盤が後ろに傾き、
さらには背骨も
一緒に丸くなってしまいます。
引用:身体操作技法指導 安部塾公式ブログ
http://yoshitakaabe.blogspot.com/2014/10/blog-post_83.html
もちろん、
その状態で走ることは
身体にとって負担になります。
背骨から体全体にかけて
歪みが出てきてしまう可能性も。
疲れやすくなる方や
長い距離を走りたい方は
腸腰筋の大切さを理解しましょう!
腸腰筋強化はスポーツでの
ハイパフォーマンスを可能に!?
腸腰筋はスポーツ全般でも要。
強くしなやかに鍛えられると、
今までは比べ物にならないくらい
パフォーマンスがアップすると
言われています。
体の軸を安定させるため
サッカーやバスケット、
野球やバドミントン、
テニスやゴルフ、ダンスなど
どんなスポーツにも役立ちます。
特に
足を引き上げたり、
体幹のブレを修正することが
必要なマラソンにおいては
無いと困る筋肉になります。
ちなみに
マラソンで活躍している
ケニア人など強い海外の選手は
腸腰筋(特に大腰筋)が
日本人の3倍も発達していると
言われています。
参考論文:榎本靖士
ケニア人長距離選手の生理学的
・バイオメカニクス的特徴の究明
日本人長距離選手の強化方策を探る~
http://www.kozuki-foundation.or.jp/ronbun/spresearch/spres05_enomoto.pdf
日本人は、
海外の選手と比べて
腸腰筋を使っている機会が少なく、
発達も遅れているため、
自ら鍛えてあげることが重要です。
刺激を入れると、
自然に骨盤前傾した姿勢を
維持できるようになります。
また、
体幹が安定することで
繰り出される足がスムーズに
動くようになります。
そうするとストレスなしに
ストライドが広くなったり、
腿を引き上げられやすくなって
ピッチが上がり、
「スイスイ走る」を体感できます。
自然な前傾を作るために
必要な腸腰筋トレーニングを
行いましょう。
立ち姿勢で行う
簡単腸腰筋トレーニング
まっすぐ立つ
→片足を上げてキープする
※太腿が水平になる位置
ポイントは
背を反らさないように
気をつけること。
腸腰筋刺激トレーニング①↓
→が足の向き、
⚫︎印が刺激が入るポイントを表しています。
回数の目安として、
片足20秒程を2〜3セットが推奨です。
より鍛えていきたい方は、
水平位置から
足を上に引き上げましょう。
30回程繰り返すと
十分にきついと思います。
ランニング動作に近い形で
強度が上げられるのでお勧めです。
腸腰筋刺激トレーニング②↓
また、
腹横筋を使えると、
姿勢の維持がしやすくなったり、
相乗効果で走りに
良い影響がありますので
併せて鍛えてください!
行った後は、
体幹がブレにくく、
かつ足が楽に引き上がり
前に進みやすくなります。
前に進むための
余計な力も使わずに済むため
疲れにくくもなります。
スピードが思うように上がるので
上手にコントロールし
マラソン後半に失速するどころか
腰高でスムーズに走れます。
坂道ダッシュや階段を段飛ばしで
駆け上がったりすることでも
鍛えられるので、
普段から意識してくださいね!
2コメント
2019.09.18 05:51
2019.09.09 12:17