#12 認知が広がり続けるフォアフットとは?
#11 の記事は〈着地・重心〉。
足のどこに着くかではなく、
地面の真下に着地することが
何よりも大切とまとめました。
今回は、
多くの方が意識する足の着き方、
今話題が沸騰している足の着き方、
“フォアフット走法”についてまとめます。
世界のエリートランナーに多い、
“フォアフット走法”
足の前足部から着地する走り方。
マラソンや長距離界で速いランナーが多い
エチオピアやケニアの選手や、
日本記録を更新した大迫選手も
この着き方で話題になっています。
【フォアフット走法の特長】
- ヒールストライク(踵着地)よりも、
膝への負担が軽減される。
- 足のアーチに関わる細かい多くの腱や
アキレス腱が伸び、衝撃が吸収される。
- 接地時間が短く、筋肉への負担が和らぐ
長距離ランナーにとって、
最も効率的な走り方と言われています。
ただし、
ここには大きな落とし穴があります。
上記のようなメリットがあるのは
正しい形のフォアフットの場合に限ります。
海外のランナーは、
小さい頃からの生活習慣が影響していて、
結果的にフォアフットになっている
可能性が高いと言われています。
しかし、
日本人は海外のランナーと比べると、
骨格や筋肉のつき方などに違いがあるため、
習得が簡単ではありません。
最近は、
言葉が独り歩きしてしまい、
「フォアフットってどうですか?」
「どうやったら変えられますか?」
といった質問が沢山寄せられますが、
無理に変えないで欲しいな
というのが正直なところです。
フォアフット走法ができるというのは
様々な条件が重なった結果です。
着き方だけ変えようとしても上手くいかず、
市民ランナーのあなたが安易に
フォアフットを目指すと、
ケガに悩まされることになるでしょう。
フォアフットが身に着く環境とは
ケニアには日本のように
アスファルトで平らに整地された道は
ほとんどなく、激しい凹凸になっています。
ハードな道でも彼らにとっては日常です。
幼少期からこの環境で慣れ育っているため、
驚きも無く、当たり前の環境です。
これが恐らくフォアフット走法の鍵です。
地面が平らでないと足を踵から着き、
つま先から抜けることが難しくなります。
べったり足を着いていると
突起物に邪魔されたり、
バランスを崩すリスクがあるため、
自然にフォアフット走法が身に付きます。
大げさに言えば、
フォアフットでなくてはならない、
と言えるかもしれません。
日本のランナーはやはり
日本とのギャップに戸惑うようですが、
ケニアのランナーはこのような環境でも
お構いなしにスイスイ走ります。
理論的にも、踵からより
小指球から着地することで、
様々な衝撃を和らげ、
ロスなく走れるフォアフット。
日本人が習得するには
難しいと言われる原因について
少しだけ触れたいと思います。
日本人、特に市民ランナーに
おすすめしない理由
日本人が踵、または踵寄りの着地に
なりやすかった原因として
大きく2つ挙げられます。
① アスファルトなど
整備された環境で育っている
② 有能なランニングシューズにより、
踵でついても痛くない
この辺りのお話は、
ヒールストライクの記事に
まとめたいと思います。
最後に、今回は大学の同期である
オリンピック選手M氏から
写真を沢山提供いただきました。
1ヶ月のケニア遠征から帰って、
より一層たくましくなっていました。
日々のランニングに時間を費やす
市民ランナーの方も応援したい
と素敵なコメントをお預かりしました☆
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